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『ホフマン物語』の直近公演
公式情報の確認日つき。購入前には主催者ページで最新情報をご確認ください。
あらすじ

ラ・ステラを待つカフェ
オペラ座に近いカフェで、初老の詩人ホフマンは恋人の歌手ラ・ステラを待っている。
彼女は終演後に会う約束を手紙へ託すが、彼女を狙うリンドルフ議員がそれを横取りする。テーブルには、ホフマンが過去の恋から持ち帰った三つの品が残されている。友人たちに促され、酒を飲んだ彼は、若い日から年齢を重ねるまでに経験した三つの恋を語り始める。客席がこれから見るのは、事実そのものというより、彼の記憶と後悔を通した物語である。

オリンピア―人形への恋
若いホフマンは、人形師スパランザーニが披露する美しい娘オリンピアに一目で惹かれる。
スパランザーニから渡された魔法の眼鏡をかけると、機械仕掛けの人形である彼女が生身の女性に見えるのだ。周囲の笑いにも気づかず結婚を願い出たホフマンは、オリンピアと踊り始める。しかし途中で眼鏡を失い、彼女の動きは制御を失う。最後にはオリンピアが彼の腕の中で壊れ、純粋な初恋は公衆の面前での屈辱へ変わる。
アントニア―踊ることと命
十年後。
ホフマンはピアノ教師の娘アントニアを愛している。彼女は踊りの才能を持つ一方、激しく身体を動かせば命に関わる病を抱え、父クレスペルから踊ることを禁じられている。それでも二人は音楽と踊りで心を通わせる。そこへ医師ミラクルが現れ、治療を装ってアントニアへ、自分は偉大なバレリーナだと思い込む催眠をかける。ホフマンも演奏を続けるよう追い詰められ、彼女は止まれないまま踊り、ついに愛する人の腕の中で息絶える。
ジュリエッタ―奪われる影
さらに年を重ね、宗教へ身を寄せるようになったホフマンは、ダーパテュートの豪奢なサロンを訪れる。
高級娼婦ジュリエッタは、主人の命令を受けて彼を誘惑する。彼女に魅せられたホフマンは十字架を奪われ、自分の影まで失う。快楽と信仰の間でようやく危険を悟った彼が神へ赦しを求めると、影は戻り、ダーパテュートとジュリエッタは消える。恋を得たと思った瞬間に、自分自身を失いかけていたことを知る幕である。
届かなかった現在の愛
三つの物語を語り終えたホフマンは、酔いと疲れで眠り込む。
そこへ公演を終えたラ・ステラが現れるが、彼は彼女の手紙を受け取っておらず、テーブルには丸められた手紙が捨てられている。ラ・ステラは自分が拒まれたと思い、待ち構えていたリンドルフと去る。目を覚ましたホフマンに残るのは、過去の恋を語るあいだに失った現在の恋と、自分の選択への理解だけ。華麗な三幕は、誰も隣にいないカフェへ戻って閉じる。
見どころ
青年から初老まで、一人の男性が作品を貫く
多くの全幕バレエがヒロインを中心に進むなか、本作の軸はホフマン。若さゆえの思い込み、成熟した愛の痛み、快楽へ傾く危うさ、最後の孤独まで、年齢と身体の質を変えながら踊りと演技でつなぐ。男性主役には技巧だけでなく、長い時間の経過を見せる表現力が求められる。
三つの恋が、三つの踊りの質へ変わる
オリンピアの幕は機械仕掛けのユーモアと若い未熟さ、アントニアの幕はロシア古典を思わせる大きな感情、ジュリエッタの幕は官能的なネオクラシックへ移る。筋だけでなく、身体の語彙そのものが変化するため、同じ主人公の人生を三種類のバレエとして味わえる。
姿を変えて現れる、同じ悪意
リンドルフ、スパランザーニ、ミラクル医師、ダーパテュートは、それぞれ別の社会的な顔を持ちながら、ホフマンの恋を壊す一つの力として現れる。新国立劇場の上演でも「リンドルフ(悪の化身)ほか」とまとめて配役され、俳優的な変身と一貫した不穏さが見どころになる。
オペラの歌を、踊る身体の危機へ翻訳
オッフェンバックのオペラをそのまま無言化した作品ではない。たとえばオペラ版で歌うことが命を脅かすアントニアは、ダレル版では踊り続けるバレリーナとして描かれる。ジョン・ランチベリーの編曲とピーター・ダレルの台本が、音楽劇の葛藤をバレエの身体へ置き換えている。
主要登場人物
- ホフマン
- 詩人で物語の主人公。カフェで三つの失恋を回想し、青年期から初老までを一人のダンサーが演じる。
- オリンピア
- 機械仕掛けの人形。魔法の眼鏡を通すと美しい女性に見え、若いホフマンが恋に落ちる。
- アントニア
- 踊れば命に関わる病を抱えるピアノ教師の娘。ホフマンの音楽に合わせて踊ることを望む。
- ジュリエッタ
- ダーパテュートのサロンにいる高級娼婦。命令を受けてホフマンを誘惑し、彼の影を奪う。
- ラ・ステラ
- 現在のホフマンが待つオペラ歌手。三つの回想を囲む現実の恋人だが、手紙を妨害されて彼のもとを去る。
- 悪魔の化身
- リンドルフ、スパランザーニ、ミラクル医師、ダーパテュートへ姿を変え、各時代の恋を壊す。
- クレスペル
- アントニアの父。娘の病を知り、ホフマンとの踊りと音楽から彼女を守ろうとする。
有名な場面・踊り
- ♦オリンピアとホフマンの機械仕掛けの踊り
- ♦人形がホフマンの腕の中で壊れる第1幕の終わり
- ♦ホフマンのピアノでアントニアが踊り続ける第2幕
- ♦ジュリエッタの誘惑と、ホフマンが影を失う第3幕
- ♦劇場前のカフェへ戻るプロローグとエピローグ
この作品で出会う用語
初めて観る人へ
最初に四人の名前を全部覚える必要はありません。『オリンピア=人形』『アントニア=踊ると命が危ない』『ジュリエッタ=影を奪う』だけ押さえ、悪役は毎回違う姿で現れる同じ力だと考えると筋を追えます。ホフマンが幕ごとに年齢を重ね、恋の質も、踊りのスタイルも変わる点に注目してください。最後にラ・ステラが現れたとき、三つの昔話が現在の恋をどう壊したかが一本につながります。オペラを知っている人は、アントニアの危機が『歌うこと』から『踊ること』へ置き換えられている違いも見どころです。
豆知識
- 初演は1972年4月6日、エディンバラのキングズ・シアター。スコティッシュ・シアター・バレエ(現在のスコティッシュ・バレエ)が上演した。
- 音楽はオッフェンバック、編曲・オーケストレーションは、数々の物語バレエを手がけた指揮者ジョン・ランチベリー。
- ピーター・ダレル・トラストの記録では、1973年のアメリカン・バレエ・シアター上演でシンシア・グレゴリーが三人のヒロインすべてを演じた。現在は三役を別々のダンサーが担う上演もあり、配役方式は一定ではない。
- 新国立劇場バレエ団は2015年にこの作品を新制作し、2018年、2024年にも再演。2027年3月に再び上演を予定している。
- 2027年公演の予定上演時間は休憩を含め約2時間40分。長い物語だが、三つの恋が独立した短編のように進む。
上演時間・あらすじ・登場人物は上演する版によって異なる場合があります。
観劇の際は、主催者の公式情報もあわせてご確認ください。
よくある質問
- Q.バレエ『ホフマン物語』のあらすじは?
- A.詩人ホフマンがカフェで、人形オリンピア、病を抱える踊り手アントニア、ヴェネツィアのジュリエッタとの三つの失恋を語る物語です。各恋には姿を変えた悪魔が介入し、語り終えたホフマンは、現在の恋人ラ・ステラまで失います。
- Q.『ホフマン物語』の結末はどうなりますか?
- A.三つの恋を語ったホフマンはカフェで酔って眠ります。ラ・ステラは届かなかった手紙と眠る彼を見て拒まれたと思い、リンドルフと去ります。目覚めたホフマンは事情を悟り、一人取り残されます。
- Q.オリンピアは人間ですか?
- A.人間ではなく、スパランザーニが作った機械仕掛けの人形です。魔法の眼鏡をかけたホフマンだけが彼女を生身の女性と思い込み、恋と結婚を信じます。
- Q.三人の女性とラ・ステラはどう違いますか?
- A.オリンピア、アントニア、ジュリエッタはホフマンが回想する過去の三つの恋です。ラ・ステラはプロローグとエピローグに登場する現在の恋人で、三つの物語を囲む現実の時間にいます。
- Q.バレエ版とオペラ版の違いは何ですか?
- A.ピーター・ダレルのバレエ版は、オッフェンバックのオペラをジョン・ランチベリーが編曲し、三つの恋を異なる踊りの様式で描きます。代表的な違いとして、オペラで歌うことが命を脅かすアントニアは、バレエでは踊り続ける人物へ置き換えられています。結末や人物の扱いも上演版によって異なります。
- Q.三人のヒロインは同じダンサーが踊りますか?
- A.上演によって異なります。1973年のアメリカン・バレエ・シアター上演には一人が三役を担った記録がありますが、新国立劇場の過去公演ではオリンピア、アントニア、ジュリエッタを別々のダンサーが演じています。最新の配役をご確認ください。
- Q.作曲家と振付家は誰ですか?
- A.音楽はジャック・オッフェンバック、編曲・オーケストレーションはジョン・ランチベリー。振付と台本はピーター・ダレルです。全幕バレエとして1972年に初演されました。
- Q.2027年の東京公演はいつですか?
- A.新国立劇場バレエ団が2027年3月18日から22日まで、新国立劇場オペラパレスで上演を予定しています。一般発売は2026年12月20日、予定上演時間は約2時間40分です。出演者と販売状況は主催者公式情報をご確認ください。
CONTENT NOTE
参考情報と更新履歴
作品の筋・配役・上演時間は版によって異なります。Ballet Mapでは複数の版に共通する流れを軸に、 公的劇場・主催団体の公開情報を参照して編集しています。
- 新国立劇場『ホフマン物語』2027年公演・作品解説↗
- 新国立劇場バレエ版『ホフマン物語』全幕ものがたり↗
- 新国立劇場男性主人公と三つの振付様式をめぐる作品背景↗
- 新国立劇場オペラ版『ホフマン物語』作品・あらすじ↗
- The Peter Darrell Trustピーター・ダレル作品記録:The Tales of Hoffmann↗


