東京バレエ団 ジョン・クランコ振付『オネーギン』全3幕
公益財団法人日本舞台芸術振興会
- 会場
- 東京都渋谷区・新国立劇場 オペラパレス
- 料金
- U35 4,000円/D席6,000円〜S席18,000円

Onegin
差し出した手が届くとき、愛はもう同じ場所にはいない。
WATCH IT NEXT
公益財団法人日本舞台芸術振興会
公式情報の確認日つき。購入前には主催者ページで最新情報をご確認ください。
恋文と鏡
1820年代のロシアの田園。
夢見がちで読書好きなタチヤーナは、妹オリガの婚約者レンスキーが連れてきた都会の青年オネーギンにひと目で惹かれる。夜、自室に戻ったタチヤーナは高まる思いを手紙に託し、鏡の中から現れた理想のオネーギンと踊る夢を見る。翌朝、手紙を乳母に託すが、現実の彼が同じ愛を返してくれる保証はない。憧れと現実が初めてすれ違う幕である。
拒絶と決闘
タチヤーナの誕生日。
田舎の宴に退屈したオネーギンは、彼女を呼び出して愛には応えられないと告げ、目の前で手紙を破る。さらに気まぐれからオリガと親しく踊り、嫉妬した親友レンスキーを挑発してしまう。決闘を止めようとする姉妹の願いも届かず、オネーギンはレンスキーを撃ち倒す。軽い退屈から始まった行動が、取り返せない喪失へ変わる。

遅すぎた手紙
数年後のサンクトペテルブルク。
旅を続けても空虚さから逃れられないオネーギンは、グレーミン公爵の舞踏会で、気品ある公爵夫人となったタチヤーナと再会する。かつて見落とした彼女の価値にようやく気づき、今度は自分が恋文を送る。二人きりになるとタチヤーナの心も揺れるが、彼女は現在の生活と自らの尊厳を選ぶ。昔と逆にオネーギンの手紙を破り、彼を永遠に去らせる。
第1幕、自室で手紙を書いたタチヤーナが、鏡の中の理想のオネーギンと踊る夢の場面。現実にはまだ始まっていない恋を、大胆なリフトと途切れない流れで可視化する。幸福な二人を描くのではなく、彼女の想像の熱そのものを踊る点が重要である。
最終場では立場が逆転し、今度はオネーギンがタチヤーナへすがる。拒みながらも揺れる彼女と、失った時間を取り戻そうとする彼の身体が激しく交差する。第1幕の鏡の場面と対にして観ると、同じ接近と離反がまったく違う意味に見える。
物語を動かすのは大事件より、手紙を破る、相手の婚約者と踊る、決闘を受ける、扉から去らせるといった一つずつの選択。タチヤーナ、オネーギン、レンスキー、オリガの視線と反応を追うと、台詞のない舞台でも心理の変化がはっきり読める。
音楽はチャイコフスキー、編曲・オーケストレーションはクルト=ハインツ・シュトルツェ。叙情的な旋律が田園の素朴さ、舞踏会の華やかさ、二人の後悔をつなぎ、踊りだけで長編文学を語るクランコの明快なドラマを支える。
この作品で出会う用語
人物名が多く見えても、まず二組だけ覚えれば大丈夫です。姉タチヤーナはオネーギンに恋をし、妹オリガはレンスキーと婚約しています。第1幕で『タチヤーナが手紙を渡す』、第3幕で『オネーギンが手紙を渡す』という反転を軸にすると、物語を見失いません。技の回数より、相手を見る・目をそらす・手紙を破る・扉を閉じるという動作が感情を語ります。鏡のパ・ド・ドゥと最後の手紙のパ・ド・ドゥを対にして観てください。
上演時間・あらすじ・登場人物は上演する版によって異なる場合があります。
観劇の際は、主催者の公式情報もあわせてご確認ください。
CONTENT NOTE
作品の筋・配役・上演時間は版によって異なります。Ballet Mapでは複数の版に共通する流れを軸に、 公的劇場・主催団体の公開情報を参照して編集しています。
情報の集め方・訂正方針を見る →