古代アレクサンドリアの光の中で、王として立つクレオパトラを描いたオリジナル水彩画

Cleopatra

クレオパトラ

王座を追われても、彼女は自らの未来を選ぶことをやめなかった。

作曲
カール・ニールセン
初演
2017
構成
全2幕
上演
150

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あらすじ

絨毯を思わせる布を引き、アレクサンドリアの宮殿へ進み出るクレオパトラの水彩画
前半

王位奪還へ

紀元前1世紀のアレクサンドリア。

父王の死後、クレオパトラは弟プトレマイオス13世と共同統治するが、弟の側近たちは彼女を排除しようとする。ローマではカエサルとポンペイウスが争い、敗れたポンペイウスはエジプトへ逃れるものの、弟王の一派に殺される。王位を追われたクレオパトラは、絨毯に身を包んでカエサルの前へ現れる大胆な策に出る。彼を魅了して後ろ盾を得た彼女は再び王座へ戻り、やがてカエサルとの子をもうけ、その子の未来に希望を託す。

二つのローマ勢力を背に、女王として選択するクレオパトラのオリジナル水彩画
後半

ローマと運命

ローマの頂点へ上ったカエサルは、ブルータスらに暗殺される。

大きな支えを失ったクレオパトラは、のちにアントニウスと出会い、愛を育む。しかしローマでは、カエサルの後継を名乗るオクタヴィアヌスとの対立が激しくなっていく。アントニウスとクレオパトラはその力に抗うが、戦いは二人を追い詰める。国を守る政治家、母、恋する女性という複数の顔を持つ女王が、最後まで自らの運命に向き合う。

見どころ

絨毯から始まる、知略の登場

王座も後ろ盾も失ったクレオパトラが、自らを絨毯に包ませてカエサルへ近づく場面は、物語の転換点。美しさだけで人を動かす人物ではなく、危機のなかで機会を作る政治家としての強さが、登場の仕方そのものに表れる。

二つの愛が、異なる時代を映す

カエサルとの関係は王位奪還と子の未来へ、アントニウスとの関係はローマの内戦と最後の抵抗へ結びつく。同じ恋愛として眺めず、相手が変わるたびに彼女の立場と選択がどう変化するかを追うと、長い歴史劇が読みやすい。

ニールセンの音楽でつくる全幕バレエ

本作のために書かれた既存のバレエ音楽ではなく、デンマークの作曲家カール・ニールセンの作品を選び、一つの長編ドラマへ組み直している。音楽が豪奢さ、軍事的緊張、人物の孤独をどう切り替えるかも聴きどころ。

金とエメラルドの舞台美術

公式資料が伝える金色とエメラルドグリーンを基調とした美術・衣裳は、古代世界の富を見せるだけでなく、クレオパトラの王権を視覚化する。群像のなかで色、距離、視線がどの人物へ集まるかにも注目したい。

主要登場人物

王位を争う姉弟同盟・愛・子暗殺愛と共闘ローマの覇権対立クレオパトラエジプト女王プトレマイオス13世弟・共同統治者カエサルローマブルータス暗殺者アントニウスローマオクタヴィアヌス後継者
愛・恋家族・つながり対立・裏切り魔法・呪い
人物にふれると、その関係が浮かび上がります。※版により設定が異なる場合があります。
クレオパトラ
エジプトの女王。王位を追われても知略で復権し、国の未来と愛の間で決断を重ねる物語の中心。
プトレマイオス13世
クレオパトラの弟で共同統治者。側近の思惑とともに姉を王座から遠ざけ、権力を争う。
カエサル
ローマの将軍。絨毯に身を包んで現れたクレオパトラと出会い、彼女の王位奪還を支える。
ブルータス
カエサル暗殺に加わるローマの人物。クレオパトラの未来を大きく変える転機を生む。
アントニウス
カエサルの死後、クレオパトラと愛し合い、オクタヴィアヌスとの戦いに臨む。
オクタヴィアヌス
カエサルの後継を名乗って勢力を伸ばし、クレオパトラとアントニウスを追い詰める。
オクタヴィア
ローマの権力関係に置かれる女性。2026年公演の主要配役として物語の緊張を担う。
案内人
2026年公演の配役表に記載され、長い歴史物語を舞台上で導く役。

有名な場面・踊り

  • 絨毯に身を包んだクレオパトラとカエサルの出会い
  • 王位奪還とアレクサンドリアの宮廷
  • カエサル暗殺
  • クレオパトラとアントニウスの愛
  • オクタヴィアヌスとの戦いと終幕

初めて観る人へ

まず『エジプト対ローマ』ではなく、クレオパトラの周囲にいる四人を覚えると迷いません。弟プトレマイオス13世に王位を追われ、カエサルの支援で戻り、彼の死後はアントニウスと結び、最後にオクタヴィアヌスと対立します。人物が変わるたびに、彼女が誰を愛したかだけでなく、国と子の未来のために何を選んだかを追ってください。音楽は『クレオパトラ』専用曲ではないため、場面ごとにニールセンの音色がどう意味を与えられるかを聴くのも本作ならではです。

豆知識

  • 熊川哲也が台本・演出・振付を手がけ、2017年に生み出した全2幕のオリジナル全幕バレエである。
  • 既存のバレエ原作や専用曲がある作品ではなく、史実から物語を構築し、カール・ニールセンの音楽を選んで舞台化した。
  • 舞台美術はダニエル・オストリング、衣裳は前田文子、照明は足立恒が担当。金色とエメラルドグリーンを軸に古代世界を立ち上げる。
  • 2026年公演は9月20日から27日までBunkamura オーチャードホールで全7公演。2017年の誕生から9年を経た再演となる。

上演時間・あらすじ・登場人物は上演する版によって異なる場合があります。観劇の際は、主催者の公式情報もあわせてご確認ください。

よくある質問

Q.バレエ『クレオパトラ』のあらすじは?
A.弟王の勢力に王位を追われたエジプト女王クレオパトラが、カエサルの力を得て復権し、その死後はアントニウスと愛し合いながら、オクタヴィアヌスとの戦いへ向かう物語です。恋愛だけでなく、王として国と未来を選ぶ姿が軸になります。
Q.『クレオパトラ』は古典バレエですか?
A.19世紀から伝わる古典作品ではありません。熊川哲也が史実をもとに台本・演出・振付を手がけ、2017年に生み出した全2幕のオリジナル全幕バレエです。
Q.音楽の作曲家は誰ですか?
A.デンマークの作曲家カール・ニールセンです。本作専用に作曲されたバレエ音楽ではなく、ニールセンの音楽を選び、長編ドラマとして構成しています。
Q.登場人物は誰を覚えればよいですか?
A.中心はクレオパトラです。王位を争う弟プトレマイオス13世、彼女を支えるカエサル、のちに愛し合うアントニウス、二人と対立するオクタヴィアヌスの関係を押さえると筋を追えます。
Q.2026年のKバレエ公演はいつですか?
A.2026年9月20日から27日まで、東京・Bunkamura オーチャードホールで全7公演が予定されています。上演時間は休憩を含め約2時間30分、5歳以上入場可です。出演者、残席、販売状況は主催者の公式情報をご確認ください。

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参考情報と更新履歴

作品の筋・配役・上演時間は版によって異なります。Ballet Mapでは複数の版に共通する流れを軸に、 公的劇場・主催団体の公開情報を参照して編集しています。

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